招待状から始まる結婚式

30歳前になると、結婚式の招待状が次々と届くようになる。一時期ブームになった負け犬という言葉を、今はほとんど聞くことがなくなったが、それでもやはり女性というものは30歳をひとつの境目として結婚を意識するものなのであろう。届いた招待状は、どれも幸せが伝わってくるものに変わりないが、どれひとつとして同じものはない。式場のオプションで作成されたものから、新郎新婦がおそらく手作りしたのではないかと思われるものまで実に様々である。最近は予算を抑えるのと、愛情を込めるという意味を兼ねて、手作りするケースが多いように感じる。

よくステーショナリーショップに行くと、用紙とシールやリボンなどが一緒になった手作りキットが売られている。見てみると、意外と簡単に、綺麗で華やかなものが出来上がるようで、やはり人気商品のひとつのようだ。結婚式当日という貴重な一日に、是非立ち会ってほしいという心を込めるものだから、少し手間がかかっても、手作りする価値は充分にあると思う。ちなみに、几帳面な性格の新婦から送られてきたものはシンプルかつ清楚なものだったり、美男美女カップルと揶揄された2人からは少し絢爛で明るい色調のものだったり、なんとなく招待状から新郎新婦の個性が見えてくる気がして、当日はどんな服装で出席しようか悩むのも、また楽しい。招待状を通して想像した結婚式に合うコーディネートを考えるのである。悩んだ末に決めたドレスを着て、いざ結婚式へいくと、想像していた以上に幸せ一杯で、毎回そのムードに飲まれて酔いしれる。何億人という中から出会った2人が、結ばれるという奇跡に立ち会うのだから、そうなるのも仕方のないことなのかもしれない。やはり結婚式でも、新婦のドレスや着物といった衣装の類、飾り付けの雰囲気や出し物、進行など1つ1つに2人の個性が見えてくる。

この日のために、自分がこうしたいと思える式を何ヶ月もかけて、考えたり打ち合わせをしたりして完成したものなのだから、当たり前かもしれない。よく考えると、招待状もその打ち合わせの一環で考えて作成されたものなのだから、もしかしたら招待状を受け取った人も届いたその日からその個性を読み取って、当日少しでも良いムードになるように、少しでもたくさん自分も楽しめるようにと考え始めることが、当日のムードを作り出す1つの要素になっているのかもしれない。もしかしたら、結婚式は招待状から始まる、といっても過言ではないのかもしれない。